SCO-483は、先天性副腎過形成(CAH)およびクッシング病を治療するために設計された有望な薬剤候補です。その作用機序は非公開ですが、1日1回の経口投与および長時間作用型の注射剤としての臨床使用を目指しています。初期の安全性試験の結果、SCO-483は良好な安全性プロファイルを持っていることが確認されており、現在、臨床試験の開始に向けた研究開発が進行中です。
CAHは副腎に影響を与える遺伝性疾患の一群です。CAHの約95%は、副腎の21-ヒドロキシラーゼ(21-OHD)の欠損または活性低下を引き起こす遺伝子変異によって引き起こされます。この酵素は、副腎がコルチゾールおよびアルドステロンを生成するために必要で、これらのホルモンはストレス反応や血圧の調節に重要です。
21-OHD遺伝子に変異がある人はホルモンバランスが崩れ、代謝異常や男性ホルモンの過剰産生を引き起こす可能性があります。適切な治療が行われない場合、副腎不全や過剰な男性ホルモンに伴う女性の外性器の異常など、さまざまな症状を引き起こす可能性があります。現在、CAHに対して適用可能なステロイド以外の治療薬は存在せず、高い医療ニーズが存在しています。
クッシング病は、コルチゾールの過剰生産によって特徴づけられる稀な内分泌疾患です。この疾患は、下垂体が副腎皮質刺激ホルモンを過剰に生成し、それが副腎を刺激して過剰なコルチゾールを生成させることで発生します。症状には体重増加、高血圧、記憶障害、筋力低下、骨粗鬆症、2型糖尿病などが含まれます。クッシング病の治療は、コルチゾールレベルを低下させ、症状を緩和することを目的としています。クッシング病の治療には既存の薬剤もありますが、より効果的で安全な新薬、特に新しい作用機序を持つ薬剤への医療ニーズが依然として存在しています。
Scientific Publication
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21水酸化酵素欠損症治療薬S-483の研究開発がAMEDの創薬支援推進事業・希少疾病用医薬品指定前実用化支援事業に採択されました
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