2020.07.15 働き方の多様化についての取り組み

 コロナ禍における「Withコロナ」、「Postコロナ」と銘打ったセミナーが連日のように開かれています。そこで聴講していると、「あなたは、今後、同様な不測の事態が起こっても事業の継続性が担保されるような経営環境を如何に作ることができますか?」という命題をいつもマネジメントへ問いかけられているように感じていました。

 そんなコロナ禍の中、ある人材紹介会社のご担当のA氏とWebミーティングを行う機会がありました。その際のエピソードを切っ掛けに、当社の事業環境、研究開発活動の継続性に関するリスクマネジメントの取り組みを一部ご紹介できればと思います。

 人材紹介会社A氏より、「今後の採用計画についての見通し」などの質疑を経た後に、A氏「御社ではコロナ感染症拡大による影響は何かありますか?どのような働き方をされていますか?」と質問されましたので、

―当社では緊急事態宣言前より在宅勤務推奨を行い、ウエットの研究従事者をのぞき、現在では従業員の約半数が継続して在宅勤務を中心とした勤務を行っている状況です。当初は業務遂行に関していくつかの懸念もあったのですが、ふたを開けてみると内部統制上の問題もなく業務遂行ができています。研究者の住まいが、都心部ではなく湘南地区に多いのもそのひとつです。と回答したところ、

A氏「数十社のベンチャーをクライアントに抱えていますが、一斉に在宅勤務へシフトできた会社は知っている限りありません。なぜ業務遂行に支障なく在宅勤務体制へ移行できたのでしょうか?」

―もちろん在宅勤務に合わせて会社規則や労働契約書を一部手直しはしましたが、最も貢献した点は、創業期からITシステム化にコツコツと取り組んで来たことだと思います。とお答えしました。

 そうなんです。コロナ感染症の拡大による社会的な要請によって在宅勤務へと流されることになったのではなく、従業員の約半数が在宅勤務体制になっても、事業継続のための十分条件がある程度整っていることに、その問いによってあらためて気付かされた切っ掛けとなりました。

※当社のITシステム化の取り組み(デジタルトランスフォーメーションの現状)
「勤怠管理」、「在庫管理」、「試薬購入・購買管理」、「稟議決裁承認」、「経費精算」、「財務会計」、「電子契約・押印」、「クラウドデータ保管」、「電子実験ノート」、「協業のためのクラウド情報共有ポータルサイト」、「情報検索」、「労務管理/給与明細管理」、「人事評価」、「安否確認」、「ITデバイスのリモートメンテナンス」、「情報セキュリティ」、「Web会議」等のITシステム・体制を完備。その他、全従業員の通信環境整備としてiPhoneや在宅勤務時のIT関連ツールを支給・配備。入居している湘南iParkサポートステーションシステム等の環境下で各種法令や社内規則の整備を行いながら稼働出来ている状況です。

 

 一方で、継続して取り組まなければならないマネジメント課題も認識しています。ステークホルダー(株主、従業員、支援者など)とのコミュニケーションです。「マネジメントと従業員の対話」、「部門を越えた従業員間の情報共有」、「情報格差を最小限にする」などの課題に日々取り組みながら、組織カルチャーを構築していきたいと考えています。

 創薬企業として、臨床開発品を創出しイノベーションを起こし続けるため、アイデア創出の「場」作り、「研究開発投資」、そして闊達な議論が起こるための「研究開発環境整備」に継続して取り組んでいきたいと思います。

<スコヒアの行動指針>
・創薬にこだわり、創薬を愉しむ!
・プロ意識を持つ!
・スピーディーに行動する!
・仲間を信じる!
・コンプライアンス遵守!

 

経営管理本部 清田 圭一