生活習慣病領域のマーケット
グローバルでの人口増加や生活習慣の変化により、糖尿病や循環器疾患など生活習慣病の患者数は引き続き増加すると見込まれ、これに端を発した疾患は世界の死因の3割~4割程度を占めています。
世界の死因
製薬業界では大規模臨床試験やグローバル販売網維持のコストが大きい生活習慣病領域を縮小し他の疾患へシフトするトレンドがある一方で、グローバルメガファーマやスペシャリティファーマは引き続きこの領域への投資を行っています。
これに加え大手製薬企業では、開発スピードを重視してベンチャー企業から開発後期パイプラインを導入したり企業買収を行うなど、医薬品業界において医薬品開発分業化の流れが強まっています。
事実、現在米国食品医薬品局(FDA)で承認されている医薬品のうち創薬ベンチャー等の中小企業で創出されたものは6~7割にのぼります。
FDA 承認医薬品の創出数(企業規模別)
しかし、生活習慣病領域の医薬品ニーズが高いにもかかわらず、大手製薬企業の期待に応えられるようなノウハウを持つ創薬ベンチャー企業は限られているのが実情であり、そこに当社が取り組む重要な意義があります。
国内外創薬ベンチャーの新規パイプライン(疾患別)
生活習慣病領域を専門とする
創薬ベンチャーは少ない。
生活習慣病領域の高い専門性
当社の研究開発メンバーの多くは、数々のブロックバスターを創出した武田薬品の生活習慣病領域で長く研究開発に従事してきており当該領域の創薬において高い専門性を有しています。
当社ではその中でも専門性の高い肥満症、糖尿病、高血圧症に加え、慢性腎臓病や糖尿病性腎症、急性腎不全、非アルコール性脂肪肝炎といった臓器障害を中心に研究開発活動を推進します。
肥満の状態になると、引き続き糖尿病、脂質異常、高血圧が組み合わさり糖尿病性腎症、慢性腎臓病、急性腎障害、非アルコール性脂肪肝炎、胆道疾患、慢性肝炎、胆石症等様々な合併症を引き起こすとされています。
現在合併症に対処する効果的な薬剤は少なく、当社では治療満足度が十分な薬がない、あるいはほとんど有効な薬のない領域の医薬品研究開発を進めています。
化合物の特性から上記以外の疾患に有効性が期待される場合は、市場調査等によりアンメットニーズを把握したうえで開発対象ポートフォリオ拡充を目指します。
当社の注力疾患領域
モダリティ
一般的に医薬品は分子量によって低分子、中分子、高分子に大きく分類されますが、当社はその中でも低分子・中分子にかかる研究開発を中心に推進しております。
低分子・中分子医薬品は高分子であるバイオ医薬品と比較すると低価格かつ経口投与可能なものが多く、実際に世界の医薬品売上の約2/3を占めております。
特に生活習慣病領域では開発医薬品に占める低分子医薬品の割合が高く、疾患領域に合ったモダリティ(治療手段)を採用しています。
世界の医薬品売上
スコヒアファーマでは多くの研究論文を発表しています。
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