ソマトスタチンは視床下部、膵デルタ細胞、消化管内分泌細胞などから分泌されるペプチドホルモンであり、5種類のGタンパク質共役型受容体 (SSTR1-5) を介して種々のホルモン分泌を制御しています。当社はSSTR5に着目した創薬研究を推進し、経口投与可能でSSTR5選択的に拮抗作用を発揮するSCO-240を同定しました。これまでにSSTR5に関する広範な研究が行われていますが、ヒト生体レベルにおける生理的な役割は明らかになっていませんでした。

当社は、SCO-240の単回投与における薬剤プロファイルを確認するため、健常人を対象として第1相単回投与臨床試験を実施しました。その結果、SCO-240の投与により下垂体の成長ホルモン分泌を選択的に亢進できることが明らかになり、この時の血中成長ホルモン濃度は、組み換え成長ホルモンの注射時と同程度の濃度にまで達していました。この結果はヒト生体レベルにおいて、SSTR5アンタゴニストが成長ホルモンの分泌を促進することを示す最初の知見となります。また、SCO-240の投与は安全で忍容性が高く、その薬物動態プロファイルから1日1回投与が可能であると考えられます。

以上から、本剤は小児成長ホルモン欠損症(Pediatric Growth Hormone Deficiency,  PGHD)などを含む成長ホルモン関連疾患に対する新しい経口治療薬となり得る可能性があります。さらにこれまでの報告から、SCO-240によるSSTR5シグナルの阻害は、不妊症や脱毛症の新しい治療薬となる可能性があります。詳細についてはお問い合わせください。

現在、当社は SCO-240 の全世界における開発および商業化パートナーを探しています。
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適応症

  • 成長ホルモン分泌不全性低身長症
  • 不妊症
  • 脱毛症