Nuclear factor erythroid 2-related factor 2 (NRF2)は酸化ストレスから生体を防御するためのマスターレギュレーターであると理解されており、その活性化は酸化ストレスが関連する疾病に強力な薬効を示すことが分かっています。一方で、生理的な条件においてNRF2はKEAP1と呼ばれるタンパク質に結合しており、NRF2/KEAP1複合体は細胞内に存在するタンパク分解系で速やかに分解・不活化され、NRF2の抗酸化作用は発揮されない状態になっています。

NRF2活性化の方法は複数提唱されていますが、我々の研究グループはNRF2とKEAP1相互作用の阻害によるNRF2活性化が有効性および安全性において優位性があると考え研究を推進してきました。スコヒアファーマの研究者によって同定されたSCO-116はNRF2とKEAP1とのタンパク―タンパク相互作用を阻害し、NRF2を活性化する新しいタイプの薬剤です。SCO-116は、経口剤または注射剤として利用可能であり、投与により標的臓器のNRF2経路を効果的に活性化すると同時に良好な安全性プロファイルを示します。

SCO-116によるNRF2の活性化は酸化ストレスを病因とする多くの疾患に対し有望な治療戦略となる可能性があり、SCO-116の前臨床試験が進行中です。

現在、当社は SCO-116の全世界における開発および商業化パートナーを探しています。
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適応症

  • 糖尿病性腎臓病(DKD)
  • 慢性腎臓病(CKD)
  • 眼科疾患
  • 肺疾患
  • 非アルコール性脂肪肝炎(NASH)
  • 抗酸化作用
SCO-116
細胞質
KEAP1
NRF2

KEAP1-NRF2
相互作用阻害

NRF2活性化

NASH

肝臓

抗線維化作用
抗脂肪肝作用

CKD/DKD

腎臓

GFR上昇作用
抗線維化作用

その他の酸化ストレス
関連疾患